光あふれ、さわやかな風薫る五月の日曜日。
雲一つない晴天の中、「親子山歩き」が開催されました。
自然豊かなばんけいの景色はどの季節も素敵ですが、夏に向かって静かながらも着実に生命が躍動し、光が満ちあふれ、新緑の薫り漂う爽やかな風が吹く初夏は、ことさらにきれいで心弾みます。
そして、5月は、園児たちの大きな成長に気付く季節でもあるように思います。
入園して1か月、初めての幼稚園に少しずつ慣れてきた年少の赤組さんと新入園の年中の緑組さん。
そして、進級して新しい学年になった年中の緑組さん、年長の青組さん。
4月にはそれぞれの新しい環境にどこか馴染めず、なんとなく頼りない表情だった園児たちが、5月には、いつのまにかすっかり落ち着いて、園内外を元気に走り回りはじめます。
いろんな遊びを積極的に楽しみ、お友だちと関わってゆく姿は適応の速さ、柔軟さ、そして芯の強さを感じて驚かされます。
ばんけいの先生方のおっしゃる「根っこ」が育ってくれているのだな、と実感してうれしくなります。
出発前に、先生たちから山登りの注意事項を説明していただきます。
幼稚園児たちがらくらく登れるコースといえども、侮ることなかれ。
道には凹凸があり、急斜面もあり、害をおよぼす虫もいれば、触るとかぶれる草もあります。
いよいよ山登りスタート。
各学年、それぞれ体力に合ったコースに出発します。
ゆっくり進んでいくので、みんなの列が長く長く伸びていきます。
ちょっと蟻さんの行進を思い出しますね。
冬は真っ白なスキーコースだった道も、いまでは緑豊かな登山道。
ふわふわ雪を一気に滑り降りてきた同じ場所を、今度は汗をふきふき一歩一歩踏みしめて登って行きます。
季節のうつろいって、不思議ですね。
小高い丘で小休憩。
気持ちの良い風、柔らかな若葉の匂い。
ぴかぴかの太陽、まぶしい緑、青い空。
このとっても大きな大きな景色、みんなの目にどう映っているのかな?
何を感じて、何を想っているのかな??
想像するだけで、今日の青空のような気持ちになれます。
山歩きの楽しみの一つ、山菜取り。
山の恵みを正しく受け取るには、知識と経験が必要です。
山菜取りは、おとうさんおかあさんたちより、子どもたちのほうが経験豊富かもしれません。
夢中で走り出してはしゃがみこむわが子、その後につづくおとうさんおかあさんたち。
楽し気な会話と笑い声が聞こえます。
食卓に並べられる山菜だけでなく、
このように笛を作って遊ぶことも知っているのがばんけいっ子たち!
切り込みの入れ方や、息の吹き込み方で、音程が変わるのが面白くてたまりません。
歩くのを忘れて笛を吹き続ける子たちが続出します。
あちこちで響く温かい音色に誘われて、みんなの笑顔がこぼれます。
最後に先生方が、みんながとってきた山菜をチェックしてくださいました。
とってもおいしい山菜ですが、なかにはよく似た食べられない草が混じることもあるので注意!です。
この日はみんな、豊かな山の幸が食卓に並んだことでしょう。
最後に。
今日見たもの感じたこと。
大きくなっても、ずっとずっと心に残って、子どもたちの人生を豊かに彩るカケラのひとつになりますように。
そう願ってやみません。